レクチャービデオの効力と弊害
僕が、マジックを本格的にやり始めたころは、パソコンもまだ
WindowsがないMS-DOSの時代でした。
そうです、インターネットも今のように普及はしていません。
せいぜいパソコン通信というメディアがあったぐらいです。
そのころは、マジックを覚える方法は、本で覚えるのが主流でした。
それも一般の出版社から出ている本は少なく、マジシャン自身が
書いた本が殆どだったんです。
ということは、文章を書くプロではないので、文章表現も
さほどうまくなく、写真や説明図などもつたないから、誤字や
誤表現などが大変多かったです。
だから、読む側の推測にたよることも多く、同じ本を読んで
覚えたマジックでも、人によっては演じ方が変わっていることが
多かったです。
逆に、それが人それぞれの個性になってよかったと思います。
アメリカは、日本より一歩進んでいることが多いです。
「マジック」のレクチャー方法もそうです。
一般に、マジシャンは長年秘密にしていた自分のマジックを
レクチャーするようになります。 その後は、それが本になり、
ついには映像化されるようになります。
レクチャービデオがアメリカではポピュラーになりました。
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当時、日本はマジック業界ではアメリカに押されていたので
多くのマジックのアイデアや道具、レクチャー本など殆ど輸入でした。
だから、英語が出来るマジシャンは大変有利だったわけです。
しかし、英語で書かれたレクチャー本は、よっぽどマジックが好き
でないと、途中で挫折します。
そこに救世主が! そうです、レクチャービデオです。
これなら、少々英語が出来なくても、見るだけでやり方が判ります。
僕もこのレクチャービデオで、多くのマジックを覚えることが
出来たのです。 しかし、当然弊害も生まれました。
習い事の第一歩は、「真似ること」です。 お手本を真似ることが
大事です。
同じレクチャービデオで学んだマジシャンの演技が、どれも同じに
なってしまうんです。
つまり、個性がない(笑)
それと、レクチャービデオは親切にもたくさんのレクチャーが
されています。 ときには20種ぐらいのタネ明かしがされて
いるものもあります。
本に解説されているマジックは、その本をじっくり読まないと
タネがそう簡単に判るものではありませんが、映像化されたと
なると、観ただけでタネがわかってしまいます。
ということは、見たくないマジックの種も知ってしまうんです。
となると、感動が薄れてくるんです。
僕がいつもテレビで種明かしを嫌う原因の一つがこれです。
テレビでの「マジックの種明かし」は見たくない人にも見せて
しまうからです。
レクチャービデオは、マジックを覚えるにはとてもいい教材
だと思いますが、ビデオで覚えたマジックを、自分の物に
するには、そのマジックの演出を自分のキャラクターにあった
ものにしていく努力が必要です。
そうしていくことで、自分のペットマジックになっていく
んですよ。
最近は、レクチャービデオならぬ、レクチャーDVDが主流に
なりつつあります。
レクチャービデオを見ながら、マジックを覚えるときに
同じシーンを何度もテープを巻き戻して見たり、スロー再生
させたりして、テープをダメにしていましたから、DVDは
大変便利だと思います。
時代は変化するもんですね。
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頭の中365日
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